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親権・監護権

親権・監護権について


親権とは


 親権とは、親の子供に対する「身上監護権」「財産管理権」の2つを合わせたものをいいます。

◇ 身上監護権とは、子供を手元で守り育て、教育をすることのできる権利のことをいいます。

◇ 財産管理権とは、子供の財産を管理する権利および子供の財産上の法律行為に関する代理権のことです。

 親権から監護権を分離して定めることもできます。

 例えば、親権者を父で、子供を育てる監護者を母と定めることができます。ただし、親権者と監護者を別々に定めるのは、特別な場合です。

 特別な事由がない限り、親権と監護権を分離することなく、父母の一方を親権者と定めたほうがよいでしょう。親権者でない監護者は、子供の法定代理人になれませんので、子供が法律行為をする場合に不都合が生じること恐れがありますから。




親権・監護権に関する

Q:親権者の同意なしに子供の姓を変更することはできるか?

A
:
子供の年齢が15歳未満の場合、親権者の同意なしに姓を変更することはできません。

 
民法791条第1項には、「子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。」とありますが、 同条第3項において、「子が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、前2項の行為をすることができる。」と規定されています。

 そのため、子供の年齢が15歳未満である場合、たとえ本人が姓の変更を望んでいたとしても、親権者の同意なしに姓を変更することはできません。 どうしても親権者の同意が得られない場合は、子供の年齢が15歳になるのを待つか、 家庭裁判所に親権者変更の申し立てを行い、親権者になれば、子供の姓を変更することができます。


Q:両親共に親権を希望しなかった場合、どうなるの?

A
:
未成年の子供がいる時は、どちらに親権者を決めなければ離婚できません。

 
離婚届には、親権者を決める欄が設けられています。この欄に記載がなければ、離婚届を受け付けてもらえません。よって、とりあえずはどちらかに、決めなくてはなりません。

 しかし、健康状態や経済的な理由により、両親が共に子供を養育することができない場合もあります。 このようなケースでは、夫婦の一方が親権者になることを決めた上で、両親以外の第3者が監護者になることが可能です。
 
 祖父母や両親の兄弟姉妹などの親族の他、児童福祉施設などが監護者になることがあります。


Q:親権者の変更手続きは、どうするの?

A
:
家庭裁判所に親権者変更の調停・審判の申し立てを行い、その後、家庭裁判所が変更が必要と判断した場合に、親権者を変更することができます。

 
親権者を変更する場合、民法819条第6項の規定により、必ず家庭裁判所にて調停・審判を受けなければなりません。調停・審判は、子供の両親のほか、子供の親族からでも申し立てることができます。

 親権者変更の申し立ての後、家庭裁判所が調査して、今の親権者が子供の養育、監護にとって適切であるか判断します。 そして、今の親権者が、子供の養育、監護にふさわしくないと判断された場合に親権者の変更が認められます。